化学物質過敏症の原因と対策
化学物質過敏症
最初にある程度の量の化学物質に曝露されるか、あるいは低濃度の化学物質に長期間反復曝露されて一旦過敏状態になると、その後極めて微量の同系統の化学物質に対しても過敏症状を来す者があり、化学物質過敏症と呼ばれています。
化学物質との因果関係や発生機序については未解明な部分が多く、今後の研究の進展が期待されています。
シックハウス症候群も広い意味での化学物質過敏症と言えます。
増加の原因
診断基準
北里研究所病院臨床環境医学センター
脳への影響
アレルギー体質
アレルギー体質とは、細菌やウイルス等の外敵から体内に侵入した時に抵抗して外敵を排除しようとする働きを免疫といい、この免疫の過剰反応またはマイナス部分のみ症状で表れる事を指します。
東京都の調査によると「小学生の60%がアレルギー体質」と報告されています。
アレルギー疾患を引き起こす原因の一つに化学物質があり、アレルギーの進行により化学物質過敏症に発展する恐れがあります。
食べ物アレルギー
食べ物アレルギーとは一般的に特定の食べ物を食べた後にアレルギー反応を起こし、体に何らかの症状を起こす事を言います。
しかし、食べ物に含まれている化学物質も食べ物アレルギーを増やしている要因の一つと考えられており、食べ物に化学物質が含まれていないものは少なく、食べ物を作る為の農薬や栄養を与える為の肥料、食品に色やツヤを与えるための添加物などがあります。
花粉症
花粉によって引き起こされるアレルギー症状を指します。
代表例としては春先に見られるスギ花粉症があります。
症状は「くしゃみ」、「鼻水」、「鼻づまり」などのアレルギー鼻炎や眼の痒み、流涙などのアレルギー性結膜炎が最も多く、まれに喘息やアトピー症状を併発することもあります。
気管支ぜんそく
気管支ぜんそくとは、ちりやほこり、花粉、あるいは卵などのアレルゲンが、患者の体内に入ると、気管支粘膜の炎症や気管支の痙攣(けいれん)を起こし、そのために呼吸器が狭くなって呼吸困難を訴える症状を言います。
この他に、気象の変化や温度の変化なども誘因になり、また精神的ストレスや過労なども原因とされています。
このように、ぜんそくの原因が複雑なため、確立した治療法が無いのが現状です。
アトピー性皮膚炎
ダニなどの他にも様々な化学物質がアレルゲンとなることもあります。
生れつきアレルギー反応を起こしやすい体質や、皮膚本来の防御機能が低下した時に、皮膚表面にアレルゲンが入りやすくなり炎症を起こす場合があります。
症状としては乾燥肌、しっしん、白内障、脱毛などが見られます。
薬剤アレルギー
多くは、ペニシリン等の抗生物質、アスピリン等の解熱鎮痛剤、医療機関で検査に用いられる造影剤等の薬剤がアレルゲンとなります。
薬物アレルギーの症状は多彩で、最も多い症状は皮膚症状で80%以上に認められるといわれています。
しかし、まれに生命を脅かす「アナフィラキシーショック」を呈することもあります。
治療法
現段階では確立した治療法はなく、手探り状態です。
北里研究所病院では以下の5項目を重点的に生活指導しています。
@原因物質を身の回りから遠ざける。
A化学物質の体内の総量を減らす。
B食事療法
C運動療法
D温泉療法
その他、一般的な転地療法や中和療法、電磁波からの避難などがあります。
転地治療
化学物質過敏症の治療法としては最も一般的な方法です。
アレルゲンとなる物質の少ない、空気のきれいなところで、汚染物質を吸わない環境で静養することでアレルギーの治療を行います。
学校や仕事などの問題があり、誰でも出来ることではないのが難点です。
食事療法
化学物質過敏症の治療法のひとつで、化学物質の解毒能力を高めるため、カルシウムや亜鉛などのミネラルやビタミンなどを多く取りよう心掛けます。
それにはワカメやヒジキなどの海藻類が最適とされています。
残留農薬や食品添加物を取らないように十分に注意をする必要があります。
運動療法
化学物質過敏症の治療のひとつとしてジョギングやウォーキングなどの軽い運動によって体内に蓄積された化学物質を汗とともに体外に排出する事ができます。
これによって体内での蓄積量を減らす事になります。
温泉療法
化学物質過敏症の治療法のひとつで、運動をせずに汗を流すことで体内の化学物質を体外に放出、体内での蓄積量を減らす事ができます。
また、精神的ストレスを解消する効果もあります。
生活での注意点
一般の生活の中でも、原因となるものが多数存在しています。
「食品添加物」、「衣類」などに注意を払う必要があります。
食品添加物
合成着色料や酸化防止剤として使用されていますBHAはごく少量摂取してもアレルギー性結膜炎が悪化した事例が報告されています。
発がん性が確認されている酢酸ビニルは酢酸ビニル樹脂として食品添加物に使用されています。これは主にチューインガムの基礎剤や果実・野菜の表皮に被膜材として使用され、アイスキャンディーやパーム油にも含まれています場合があります。
これらの化学物質があらゆる食品に使用されている事が化学物質過敏症の増加の一因と見られています。
衣類のホルムアルデヒド
ホルムアルデヒドは建築資材等以外にも衣料品のシワや縮み防止剤、靴底のスポンジの発泡促進剤、などにも使用され、特にワイシャツやブラウスの形状安定加工に使用されおり、毎日素肌に着る機会の多い衣類なため、健康障害が危惧されています。
その中でもSSP加工されたものは、洗濯しても樹脂加工されたホルムアルデヒドは減少しないので注意が必要です。
消臭剤
市販の消臭剤には一般的に防虫剤と同じ成分の化学物質が使用されていますことから、使用には十分に注意が必要です。
天然の消臭剤として炭を布袋などに入れてトイレの隅に置くと消臭効果を発揮する。
また、消毒用アルコールにハッカ油をたらし、スプレー瓶に入れて使用する自家製消臭剤を自作する方法も有ります。
調理用ガス器具
ガス器具を使用する時、ガスが燃焼する際に放出される粒子によって肺の細胞の防御システムが働き、炎症を起こします。
そのため、ガス器具を常にきれいな状態にしておくことと、使用時には十分換気する事が重要です。
また、ガス器具使用によって壁材の内部に発泡剤として使用されていますフロン11が熱で分解し、有毒ガスの塩素やフッ化水素が発生する危険性も報告されています。
このため、十分な換気が大事だと言えます。
衣類等の防虫
市販の防虫剤の大半はアレルギーや化学物質過敏症を起こす化学物質が使用されていますので、それらを使用しない防虫法があります。
@汚れがカビや虫の栄養になるので、しまう前にはきちんと洗濯をする。
Aカビの予防はしっかりと乾燥させることです。密閉の容器に乾燥剤とともに入れ、乾燥させる。
B虫が呼吸できないように脱酸素剤を使う。
脱酸素剤が入手できない場合には使い捨てカイロで代用できる。
また、エッセンシャルオイルにも防虫効果のあるものがあり、防虫香という物も市販されています。
合成繊維衣料
合成繊維の衣料は吸湿性が乏しく肌を刺激し、静電気による健康障害が問題となっている。
合成繊維の静電気によって皮膚のpHや血糖値の変化、カルシウムやビタミンCが失わるなどの健康障害が発生すると言われています。
学校制服によってアトピーが悪化するという例もでており、これは制服の合成繊維の影響であると説明されています。
家庭用ドライクリーニング洗剤
家庭用ドライクリーニング洗剤には非イオン系合成界面活性剤の高級アルコール系界面活性剤が使用されており、メーカー側では非イオン系界面活性剤は生分解性が早く、環境に優しく安全性も心配ないとPRしているが、非イオン系界面活性剤も陰イオン系合成界面活性剤同様に人体の健康面や環境に悪影響を与えるものです。
その毒性は横浜のコイ中毒死事件で明らかになっており、コイが中毒死する物質は人体にも影響があると考えられます。
対策としては石鹸水での付け置き洗いを行う事ですが、十分にソフトな仕上がりで洗濯できます。
虫除けスプレー
アウトドア・レジャーで盛んに使われています「虫除けスプレー」は家庭用殺虫剤と同じ様な農薬が使用されているものも多いので注意が必要です。
一般に成分は精製水,エタノール,ディートですが、ディートとは除虫菊のピレトリンに類似した化学構造式を持つピレスロイド系の合成化合物です。
実験により強い毒性が確認されており、極力使用は控えましょう。
抗菌グッズ
抗菌グッズの抗菌剤に使われている化学物質は極めて微量でも人の免疫力を低下させ、アレルギーを引き起こし、化学物質過敏症に発展する可能性も秘めています。
抗菌剤には有機系と無機系の2種類があり、有機系では合成洗剤に使用されるショ糖脂肪酸エステルのどの界面活性剤が使用され、無機系では合成ゼオライトや、シリカゲル、リン酸カルシウムなどの無機物質に殺菌作用のある銀、銅などの重金属イオンを加えた無機化合物が主流です。
